初級編ではネット依存のメカニズムと悪影響を学ぶステップを踏みました。
今回は、ネットと距離を置くには実際どうしたらいいのかを語っていきます。
初級編をご覧になってない方はこちらから目を通したほうが相手を知れて、
戦いやすくなると思うので是非。
それでは、ネット依存中等度の方は頑張っていきましょう。
※医学的な定義に基づく程度ではなく、私が便宜的にレベル分けしているものです
ネット依存に関しては「適度な付き合いが不可欠」
アルコール依存も薬物依存も、「ちょっとだけ」は通用しません。
少しでも摂取してしまえば、
途端に依存の日々に逆戻り……なんて話も聞きます。
だからとにかく目に触れないこと、完全に断つことを目指します。
しかしネット依存の場合は状況が違ってきます。
現代社会でスマホなし生活を送るのは非常に困難です。
そこがネット依存の怖さだと思っていて。
連絡手段としても必要不可欠な存在、SNSも悪影響の面はあれど私なんかはフォロワーさんに助けられてる部分もかなりある。
完全に断つことは時代的に難しいので、それ以外の依存症治療の方法はアテにならなかったんですよね。
石徹白未亜 著「節ネット、はじめました。」
また本の紹介かよ!って思う人もいるでしょうが、
これはほんと実践に向いてるんですよ!
というのも、
著者はフリーライターの方で「やらなきゃいけないことがあるのについネットを見てしまう」という経験者です。
依存症治療の専門医の方が書いた本はたくさんありますが、
中毒側の視点でネットとの適度な付き合い方を試行錯誤した結果を書いた本は、あまりないんじゃないかな。
ある意味「仲間」だから、距離がグッと近く感じる。
しかも語り口が軽快なので、退屈しない。
お医者様が書いたものって勉強にはなるんだけど、小難しくて読みにくいことも多いですよね。石徹白さんの文章は普通に読み物として面白い。
ネットの中でも良い影響を与えるものと悪影響を及ぼすものがある
私が何より良いと思ったのは、白ネット/黒ネットという概念です。
ネット依存症の治療に関しては、
「電話」「メール(状況に応じてLINEも)」といった連絡手段としての機能は残しつつ、
他の機能は全般距離を置くことを目指すのが一般的だと思います。
それはやはり依存対象であるネットを使い始めれば、「ちょっとだけ」が続いて
再び依存に陥ってしまうからでしょう。
この本では、見たあとの「後悔」をキーワードに
サイトを白ネット/黒ネットと振り分けて対策を行っていきます。
石徹白さんがよく読んでいて黒ネットに分類したものに「2ちゃんねるのまとめサイト」があったんですけど。
この本読み始めた時にはすでに読まなくなっていたとはいえ、私も気分悪くなる記事や書き込みがあるのはわかりつつ、リンクを辿って夜が深くなるのを繰り返してた。
だからめちゃくちゃ石徹白さんに共感した!!
「ネット中毒で2ちゃんねる既婚男性板のまとめサイトを見るのをやめたいのにやめられない」……なんてお医者さんの本には赤裸々に書いていませんからねぇ。
悪影響が強い黒ネットから段階的に対策
この本が提唱している「まず、黒ネットから対策する」という取り組みは目から鱗でした。
たしかに全般的に禁止してしまうと、ダイエットのようにリバウンドしてしまうと思うんですよね。
急にやめると身体がウズウズして、「ええいどうにでもなれ!」と使ってしまう。
詳しい対策方法は本を読んで実践していただきたいのですが、導入部分だけ。
まずはブラウザの履歴を分析して、自分がどんなサイトをいつどのくらい見てるのか認識するというのは非常に有効です。
私がネット依存の対策を調べていたとき「使用時間を記録する」という方法をよく見ましたが、
総時間の記録なんてマメじゃないと続きません。
使用時間を自動的に記録するアプリもありますが、
ネットサーフィン以外の必要な作業(勉強や仕事)をしている時もあり、
区別がつかないのでよくわからない。
その点ブラウザの履歴は、どの時間にどんなサイトを訪れたかが自動で全部残っていますので、
自分がどんな心理でそこを訪れ、どれだけの時間を無駄にしたかが一目瞭然です。
白ネット/黒ネットの仕分けはちょっぴり大変ですけど、
レコーディングダイエットのように必要な痛みと思えば、一度やってみる価値はあります。
私も履歴を確認してみて「えっやだ……こんなくだらないサイト見てるの時間の無駄だわ、引くわ〜〜」と自覚することができました。
気軽にアクセスできないように対策する
ブラウザの履歴を確認すると言っても、
アプリを使ってるから確認できないよーって方もいると思います。
その場合は先ほどもちょっと触れた、アプリ毎の使用時間を記録できるアプリを利用するのも良いんじゃないかと。
私は一応、UBhindっていうアプリを入れてます。(私はあんまりアプリ使わないからほとんど意味なかった)
ただ、石徹白さんによればアプリというものはブラウザよりもアクセスしやすい仕組みとなっていて、そこが中毒者には落とし穴になってしまうため、
ブラウザでも閲覧可能なものはアプリ版を削除するのが有効だとの事。
これを一例として、
ネット中毒による落とし穴や罠に対し、数々の網羅的な対策が練られているのがすごいと思います。
あまり見てはいけないサイトに入るための関門を増やすとか、今度はネットの代わりにテレビをダラダラ見続けてしまう……じゃあどうしたらいいの?とか。
心理的な話がメンタリストDaiGoさんと共通している
ちなみにネット依存の対策として「アクセスしづらい環境を作る」というのは、メンタリストDaiGoさんも言っていました。
例えばアプリをホーム画面じゃなく2ページめのフォルダーの中に入れておくと、面倒なので接触機会が減るという。
石徹白さんは自分の悪癖と向き合う過程でそのような心理を掴んでいったのだと思うのですが、それは脳科学的なメカニズムに通ずるものなんですよね。
私はDaiGoさんの教えてくれる研究や文献の知識を興味深く勉強させてもらってるから、ところどころリンクしているところを見つけて
「これってあの心理の話だ!!」と感動したんですよ。
もうひとつ。
ネット中毒と向き合っていくうちに失敗する日も絶対出てきます。数日黒ネットを30分以内に留められたのに今日は1時間も見てしまった……!とか。
失敗した時でも自分を責めてはダメだと石徹白さんは言います。
これはDaiGoさんがおっしゃってたセルフコンパッションに通ずるものがあるなって。
もちろん分析して次に活かせるよう対策していくことは必要ですが、
「なんで約束守れないの自分の馬鹿バカ!」と責めたところで嫌になって、「もうどうにでもなーれ!」になるだけです。
それよりは今日、ネットを使わず出来たことに目を向ける。
セルフコンパッションはできてないことに目をそらして自分を甘やかせという理論ではありませんが、「責めないで冷静に自分のことを等身大で見つめる」というのは共通するところだと思っています。
私たちはなぜネットにハマってしまうのか
ここも、初級編で触れた中山先生の
「ネット中毒になってしまう理由」に共通する話題だなと思いました。
私の独自の解釈で前回表現した、
どこでもドアのある世界で、ディズニーランドの年パス持ちならつい行ってしまうよなって話。
しかしネットも実はコストがかかっている。
ネットをやり続けて必要な仕事や勉強に取り組めないことによる機会損失についても触れられています。
白ネットもやっぱりやりすぎれば毒になるし。ってことで、
白ネットすら閲覧頻度を減らす方法や、通信費の節約にまで触れられています!
本当に抜かりのない本だと思います!!
ネットの代わりになるような、何か楽しいことを見つける
石徹白さんの本でも、医学的なネット依存治療でも触れられていますが、
やはり依存から抜け出すには「ネット以外の楽しみを見つける」のが必要なことのようです。
初級編で触れた「虫刺されのかゆみ」にも通ずるでしょう。
かゆみから気をそらすには、何か熱中できるものが必要です。
私の場合も、思い返せば
ただ家にいるとネットの事を考えちゃって、Twitterやまとめサイトを見ちゃう……というのがお決まりのパターンでした。
一方、散歩や買い物など出かけていれば全然ケータイを触らなくて、電話やLINEの返信が遅くなって「携帯の意味がない」と怒られるレベル。
何をすると楽しいのかは、人によって好みが様々です。
身体を動かすのが楽しい人もいれば、作品を作ったり料理をしたりといった没頭できるものがあれば、ネットのことを考えなくて済むということも。
ただ家でやることだと「ちょっと息抜きに……」と触ってしまいがちなので、
頻繁に座ったり立ち止まったりできないところに身を置くのが安全だと思います。
ネット以外の快楽を、存分に味わえる体質に改善していこう
初級編で触れた「失楽園仮説」に基づけば、
すでに依存症となっている人は、依存物以外の快楽では幸福を感じづらい状態になっているとのことでしたね。
友達や家族と話をすること。
毎日の健康的な食事。
大好きなペットとのふれあいの時間。
こういったものがネット依存により
最大限の幸福を感じ取れない体質になっているとしたら、損だと思いませんか?
いつもイライラしている、私には楽しいものはなにもない……
そう感じている人は依存してしまっている危機感を持って、何か楽しみを見つけてみましょう。
散歩・ウォーキングもおすすめ
何もなければ散歩でもいいですよ。
身体を動かすのは気持ちいいし健康的だし、
通りかかった猫ちゃんに挨拶したり、大事に育てられた薔薇の香りに癒されたり、
小さな幸せを感じ取る訓練にもなります。
日々に変化をもたらすことが脳の活性化に繋がるので、
度々お散歩コースを変更するとか、知らない道を歩いてみるのもいいですね。
夏になって海がキラキラ澄んで見えるようになったなーとか、
えっこの道とあの道って繋がってたの!?へーここに出るんだーとか。
知らない道を歩くのは、小さな冒険の旅だ。という記事を見つけましたがほんとそうで、
大したことはしてないんですけどけっこうワクワクするものです。
五感を使って冒険の旅に出てみましょう。
歩きスマホは厳禁なので、ネットを触ることもできなくなります!
スポンサーリンク
まとめ
ネット依存がタバコや薬物など、他の依存症対策と違って難しいところは、
いつも身近にあって完全に断つことは時代的にほぼ不可能というところにあります。
今回はそんな性質に対抗する本、
- 石徹白未亜 著「節ネット、はじめました。」
また、発展して、
- スマホ依存対策アプリ「UBhind」
- メンタリストDaiGo 動画「ネットがやる気を奪うワケ〜ネット中毒脱出法」
を紹介しました。
意識的にネットの使用を制限するための具体的な方法について、
概要にはなりますがまとめてみました。
具体的な節制の手段さえわかれば、やめられる人もきっと多いことでしょう。
次回は、
重度のネット依存に陥った人に向けて、強制力のあるツールを紹介していきます。
意志力が弱くすぐに手を出してしまう、衝動性の高いADHDの人にも有効です。
ネットだけじゃなくお菓子やテレビ、ゲームといった、
他に制限したいものがある人にオススメの道具も紹介します!
コメント
[…] […]
[…] […]
[…] […]