年末、1ヶ月間のお歳暮品の出荷準備の仕事をしていました。
高校卒業間際のバイトから今まで、苦い失敗体験ばかりの私でしたが、
今回初めて「契約期間終了したくない、このままもっと働きたい」と思えました。
発達障害の傾向を持つ人がこのような仕事をしてみたらどうなのか、
良かったこと・悪かったことをまとめていきます。
筆者のスペック
- 発達障害の傾向あり
(動作性IQが低め、検査時は就労できていたのもあり認定するほどの程度ではなし) - 高校卒業間際、100均の棚卸しのバイトで数がうまく数えられず1時間と経たずクビ
- 大学時代のバイト、レストランのホールでお客さんの様子を逐一見るということができずクレーム
- マーケティングリサーチの仕事で教えてもらったことがなかなか覚えられない、電話応対が苦手(対応しながらメモするのが難しい)、メールの宛名やExcelデータの抽出条件を間違えるなどミス続出
- 学生の頃からとにかく作業が遅い(アンケートなど書くのにも時間がかかる)
動作性IQが低いのは鬱とか一時的・後天的なものではなくて幼い頃から自覚がありました。
(細かい作業も器用というよりかは時間をかけることでカバーしていた)
出社初日
伝票を貼る、出荷準備の作業ということだったので単純作業かと思っていましたが
様々なポジションに入らねばならず戸惑いました。
お歳暮製品だけでなく海外発送の高価なサプリの発送準備や、
伝票を貼るのも、
- 送り主と送り先が重複している人は二重に包装する(手渡しするかもしれないから)
のしなしの場合は例外(自宅用だから) - のし付きのものは検品でのしの種類を確認するので封を閉じない(のしなしは閉じる)
- 指示書の通り冷蔵か冷凍のシールを貼る(ものによってはバーコードに被せて貼る)
- 特定の通販会社のときは別の箱を使う
- 配送会社が普段と違う場合は検品担当の人に「別口ですが流していいですか」と確認
など複雑な項目があって、
大手の食品工場ではありますが紙のマニュアル等はありませんでした。
私は期間限定の派遣スタッフのうち時期が一番最後に加入したので、
他の派遣さんがすでに業務に慣れている頃、
ミスをしまくります。(いちいち確認はするものの他の項目でミスをする)
ただ幸いだったのは班長(その部門のリーダー)の方が
みんなのお母さんといった感じで優しく、私にとって話しかけやすかったということです。
ただ、忙しいので確認したいと思ったときに近くにいない事多数…。
スポンサーリンク
入職して数日
一度では覚えられない人間なので、聞いたことでもミスりがちです。
検品担当の方がとても厳しく、
冷徹に「間違ってます」「気をつけてください」と指摘されるので、
ビクビクしながら仕事をしていました。
一度、盛大な勘違いをしたまま多くの商品に伝票を貼り付けてしまい
他の社員さんに「わからないとこあるんだったら聞きな!」と注意されてしまいます。
私はそこは、すでに覚えたものだと思って貼っていたのですが
私の中でよくある、いわゆる「記憶の改ざん」が起こっていたようです。
(間違った知識でインプットされてしまったやつ)
これは検品担当の人に自分の記憶が曖昧なところを確認して
自分の持ち場に戻った時点で改ざんされていたこともあったので、本当に申し訳ないです…。
(例えば『Aが正解』だと教えられたのに『Bが正解』だと思いこむとか)
2週間ほど経過して
なま物のお歳暮製品ということで1年のうち一番の最盛期。
私は古株の派遣スタッフの方とお昼ごはんを食べていたので、名前を覚えられて、
本来手をつけることのない包装紙やのしの貼り付け、シュリンクがけ等に
ヘルプで呼ばれることがありました。
古株の派遣さんは子供が独立した主婦の方が多いので、
娘くらいの年齢の私が一番話しかけやすかったのだと思います。(顔わかるから呼びやすい)
あっちこっちとポジションが動くことになり、目まぐるしい毎日となりましたが、
だんだん伝票貼りにも慣れてきた頃で、黙々とできるのが楽しくなってきました。
でも相変わらずミスはあって検品担当さんに怒られていました。
(ただ派遣さんみんな何かしらで怒られてた)
スポンサーリンク
期間満了終盤
この頃には仕事も覚えて「早いね!」って言われることもありました。
派遣スタッフでは最年少なので仕事の覚えも早い、いろいろ出来ると評価されて
派遣さんの中で唯一、通常の出荷品と勝手が違うような
特殊な出荷品の伝票貼りを任されてました。
私としては、年齢が若いといっても仕事ができるほうじゃないと思います。
それに、特殊出荷品は伝票の貼り方がそれぞれ違うので、いちいち検品担当の方に
確認を取らなければならないのでちょっと負担ではありました。
ただ派遣仲間の方に「特殊といえば根岸さん!」「根岸さん引っ張りだこだね!」と
褒められるたび、自分に自信が持てるようになっていき、
「私この仕事向いてるのかも?」と思えるようになりました。
ちなみに私が登録していた派遣会社は
締め日の関係で他の会社より契約期間が短かったのですが、
班長さんは「根岸さんうちでもっと働いてくれたらいいのにな〜」と言ってくださいました。
対人関係
社員さんは班長さんを含め優しい人が多かったです。
初週私が注意された社員さんも、道理は通っていますし
何か派遣に理不尽なことがあったとき
「ごめんね〜」と謝ってくださる腰の低い人でした。
検品担当の方は派遣スタッフ皆が恐れていました。
もちろん、ミスをして手間をかけるこちらが悪いのですが
指摘の仕方がとても厳しいので、
誰かがミスをしたら皆で慰めて「自分も気をつけよう〜」と反省する感じ。
派遣スタッフの方は子育て中または子供が独立した主婦の方が多かったです。
末っ子というか娘というか、そんな感じで可愛がってもらえたのもよかったと思いました。
(私が同年代の人と話すのが苦手なこともあり)
29歳という年齢は転職市場とか世間的にも「若くない」って気持ちになりがちで、
つい無自覚に歳を重ねてきたことにネガティブになりがちですが、
人間の一生を考えたらそうだよな、
まだまだ若いし何でもできるよな…という気持ちにさせてもらいました。
ただ「若いから物覚えがいい」というバイアスを多少なりともかけられてしまうことは、
メリットでもありデメリットでもあるかなと。
私の場合、頼られるってことがなかなかなくて嬉しかったし
たまたま向いてたので頑張れましたが、
それでもいろいろ頼まれてしまうことは負担になる部分もありました。
特に不注意傾向があるので期待通りの働きができないとき、
「若いからって物覚えがいいとは限らないんだよ…っ」と思いつつ
何より自分が自分を責めてしまうことが多かったです。
スポンサーリンク
辛かったこと
商品の発送で個人情報と商品をやり取りするので
もちろん気をつけなければいけないことなのですが、
貼り間違いなどミスをするとめちゃくちゃ怒られること。
私の働いていた工場の場合自分は食品に直接触れませんが、
同じフロアで食品自体も作っているので食中毒防止のため
午前と午後に手洗いが必須。
また、ゴム手袋も始終装着しているので自分の肌から発せられる水分で手がふやけ、
ひび割れた所から血が出る史上最悪の手荒れに。(肌弱いので毎年手荒れ自体はしてます)
仕事自体は合っていてもこれは長く続けられないなと思いました。
まとめ
今までにないくらい仕事内容自体は自分に合っていて、
人間関係もよかったので「ずっと続けていたい!」と初めて思えた仕事でした。
1ヶ月限定だからというのもありますが、自主的に週6でシフトを入れていたくらいです。
(ほんとはもともと週5のつもりだったけど楽しくて)
でも、正社員でこの伝票貼りと仕分け作業だけやれる仕事はそうないだろうし
これ以上続けていれば手荒れがもっと進行して生活に支障が出るレベルでした。
ただ自分にも出来る仕事はあるんだと気づかせてくれた1ヶ月でした。
人間関係や職場の環境は運の要素が大きいですが、
工場勤務だけれど変化のある仕事(伝票の貼り方が案件によって違う)であったのも
自分にとって良かったのかなあと思います。
私自分で繰り返し作業が得意な方だと思っていたのですが、
最近適職診断を受けて「慣習的作業(同じ作業を繰り返しできる)」の項目が
低かったんですよね。
だから一般的に工場勤務と聞いてイメージするような
同じ作業を繰り返すような仕事だったら駄目だったかもしれません。
私の場合、発達障害グレーということで
多くの発達傾向のある方に参考になる情報とは限らないと思います。
ただ、数ある職場で仕事ができない人間だった私が
環境によってはできる人扱いされることもあって、
自己肯定感が爆上がりしたということが希望になればいいなと。
ただ今絶賛転職活動中で、
結局正社員では就ける仕事がない…と落ち込むこともあるのですが、
この時の経験があるからこそ「どこかに私が落ち着ける環境がきっとある」と
信じ続けて頑張っております。
お互い頑張っていきましょうね。
コメント